2017年09月15日

【コラム】マルク・ケラー氏がルイドゥに?

ニース戦の大敗、チャンピオンズリーグ初戦のRBザルツブルク戦での引き分けを経て、今週末は昇格チームのストラスブールをスタッド・ルイドゥに迎えます。

このストラスブールで会長を務めているのがマルク・ケラーという人物。一時はCFA2(5部)まで落ちていた古豪を救うべく、CFA(4部)に復帰した2012年に会長に就任。僅か5年で再びリーグアンの舞台へと返り咲かせた手腕は見事と言えます。

しかしながら、古いモナコファンにとって、このマルク・ケラーという人物から連想されるのは、苦々しい思い出しかないでしょう。彼は2006年から2008年迄と、2009年から2011年迄の合計4シーズンに渡ってモナコでゼネラルディレクターを務めていた人物です。

ストラスブールやカールスルーエやウェストハムなどでFWとして活躍し、1997年にはフランス代表の一員としてブラジル戦でゴールを決めた実績もあるマルク・ケラー氏は、ブラックバーンで現役を退いた2001年にストラスブールのスポーツディレクターに就任。途中でゼネラルディレクターに昇格して2006年迄の間の働きが評価された形で、夏にモナコに引き抜かれました。

端的に言うならば、マルク・ケラー氏の引き抜きは完全に失敗に終わりました。2006年から2008年迄の前半2シーズンは出だしでいきなりラズロ・ボローニ監督の下で躓き、そのまま浮上のきっかけすら見出す事は出来ず、2007-2008シーズンの冬の移籍市場ではポクリヴァッツに350万ユーロを支払い、アルミロン、ファビオ・サントス、イグナシオ・ゴンザレスをレンタルで獲得するという、最悪としか言えない動きでチームの混乱に拍車をかけると、そのシーズンが終わる前に低迷の責任をとってミシェル・パストール会長が辞任。新たに就任したジェローム・ド・ボンタン会長のリストラ政策によって、2008年の夏にケラー氏はモナコを追われます。

ボンタン会長のリストラ政策は移籍市場においても貫かれ、下部組織出身者を中心とした多くの若手が躍動するシーズンとなります。しかしながら、初のモナコ人以外の外国人会長(ボンタン氏はフランス人)に対する風当たりは厳しく、成績不振という理由で会長の座を追われ、後任のエティエンヌ・フランジ会長は再びマルク・ケラー氏をゼネラルディレクターとして招聘します。

しかしながら、復帰して早々にケラー氏は彼にとって最大のミステイクを犯します。それは自身が招聘したはずのリカルド・ゴメス監督を契約満了で退任させ、新たにギー・ラコンブ監督を招聘した事です。

補強に関しても自身が獲得し、レンタルに出されていたネネを復帰させた事、ピュイグルニエをレンタルで獲得した事までは評価出来ますが、それ以外の補強に関してはグジョンセン、クタデュール、エドゥアルド・コスタ、ジミ・トラオレなど悉く外し、逆にボンタン氏の若手重用策で芽が出始めていた若手を放出していきます。それでも実となっていた若手達やネネやピュイグルニエといった選手達の活躍によって、久しぶりに欧州のカップ戦の出場権争いに絡みます。しかしながらリーグ終盤の失速で出場権獲得に失敗すると、リーグ戦で連勝していたPSGとのフランス杯の決勝にも敗れ、最後の望みも絶たれます。

2010年夏には欧州のカップ戦の出場権を逃した事で、ネネを筆頭に多くの主力がチームを離れ、その大半がラコンブ監督の指示に従わずに各々の判断でプレーしていた、物を言えるベテランを中心とした選手達だった事で、そのシーズンはラコンブの強権に若手選手達が萎縮する悪循環を招きます。さらに主力を放出して得た資金を、懸案だったCFの補強としてエムボカニに投じるもそれも失敗に終わり、冬にラコンブに対する最後の抵抗勢力だったアロンソを放出すると、チームはいよいよ末期的な症状に陥ります。ラコンブを解任するも時すでに遅く、チームはリーグドゥ降格となります。フランジ会長は降格の責任を全てマルク・ケラー氏に被せる形でゼネラルディレクターの座を再び追われました。

それから1年を経て、再びストラスブールに戻った後の事は冒頭で触れた通りです。ストラスブールでは見事な手腕を発揮するのに、モナコではそれを発揮出来なかったのは何故でしょうか?主力の放出でそれなりのリソースを得ながら、それを効果的に再投資出来なかった事。下部組織出身の若手を重用せず、完成された選手にばかり目を向け過ぎた事が原因ではないでしょうか。

フォローする訳ではありませんが、ボンタン氏の時代に台頭したヌクルらの若手や、降格後に主力となっていくジェルマンや92年組の多くの面々やフェレイラ=カラスコらは彼の時代に下部組織に加えた選手達であり、若手を見る目はあるのではないでしょうか。ただ、その若手達をトップチームの主力へと引き上げるといった部分に関しては無策だったと言わざるを得ません。

降格圏を彷徨っているストラスブールにとっては勝ち点が欲しい試合でしょうし、モナコにとっても試合間隔が中2日で、怪我人も出ている厳しい環境の中、ニース戦の大敗を払拭し、再びリズムに乗る為にも負けられない試合となります。

もうすでにマルク・ケラー氏を知る人物はモナコには居ませんが、ルイドゥのサポーター達は彼の存在を忘れてはいないでしょうし、彼がもしルイドゥに現れたとしたら、サポーター達はどういう反応をするのでしょうか?その答えは今週末の試合で明らかになります。
posted by もなこ at 18:52| Comment(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月01日

【随時更新】Intersaison 2017(2017/06/09〜2017/08/31)

《注意》この記事は移籍市場が閉鎖する8月31日まで最上部に表示されます。最新の記事は下をご覧下さい。なお、移籍情報はTwitterアカウント(@ASMonaco_jp)でも更新していく予定です。

【獲得】
GK ディエゴ・ベナリオ (←ヴォルフスブルク) 3年契約、移籍金無し
GK アルヴァロ・フェルナンデス・ジョレンテ (←オサスナ) 3年契約、移籍金無し
DF ラファエル・ディアッラ (←セルクル・ブルッヘ) レンタル満了
DF テレンス・コンゴロ (←フェイエノールト) 5年契約、移籍金1500万ユーロ
DF ジョルディ・ガスパル (←リヨン) 3年契約、育成保証金50万ユーロ
MF ユーリ・ティーレマンス (←アンデルレヒト) 5年契約、移籍金2500万ユーロ
MF アダマ・トラオレ (←リオアヴェ) レンタル満了
MF スアイロ・メイテ (←ズルテ・ワレヘム) 5年契約、移籍金800万ユーロ
MF ユースフ・ベンナスル (←ナンシー) レンタル満了
MF ボリス・ポポビッチ (←トゥール) 5年契約、育成保証金50万ユーロ
MF ロニー・ロペス (←リール) レンタル満了
MF ジウ・ディアス (←リオアヴェ) レンタル満了
MF ラシド・ゲザル (←リヨン) 4年契約、移籍金無し
FW アラン・サン=マクシマン (←バスティア) レンタル満了
FW ジョルディ・エムブラ (←バルセロナ) 5年契約、移籍金300万ユーロ
FW アダマ・ディアカビ (←レンヌ) 5年契約、移籍金1000万ユーロ
FW ステヴァン・ヨヴェティッチ (←インテル) 4年契約、移籍金1100万ユーロ
FW ケイタ・バルデ (←ラツィオ) 5年契約、移籍金3000万ユーロ
FW ラシナ・トラオレ (←スポルティング・ヒホン) レンタル満了

(獲得⁇)
DF メフディ・ベネディーヌ (←セルクル・ブルッヘ) レンタル満了
FW イリエ・シャイビ (←ACアジャクシオ) レンタル満了
FW タフシル・シェリフ (←セルクル・ブルッヘ) レンタル満了

【放出】
GK ポール・ナルディ (→セルクル・ブルッヘ) レンタル延長
GK モルガン・デ・サンクティス (→引退) 契約満了
DF ジョルディ・ガスパル (→セルクル・ブルッヘ) レンタル
DF アブドゥ・ディアロ (→マインツ) 移籍金500万ユーロ
DF Kouadio Yves Dabila (→リール) 契約満了
DF ウワ・エウデルソン・エシエジレ (→スィヴァススポル) 契約解除
DF Ruben Vinagre (→ウォルバーハンプトン) レンタル
DF バンジャマン・メンディ (→マンチェスター・シティ) 移籍金5750万ユーロ
MF Chano Boukholda (→リール) 契約満了
MF ジョナタン・メキシク (→セルクル・ブルッヘ) レンタル
MF トリスタン・ムユンバ (←セルクル・ブルッヘ) レンタル
MF ティエムエ・バカヨコ (→チェルシー) 移籍金4500万ユーロ
MF ユースフ・ベンナスル (→カーン) レンタル
MF ナビル・ディラル (→フェネルバフチェ) 移籍金200万ユーロ
MF ベルナルド・シウバ (→マンチェスター・シティ) 移籍金5000万ユーロ
MF ジウ・ディアス (→フィオレンティーナ) 買取オプション付きレンタル
MF グエバン・トルマン (→セルクル・ブルッヘ) レンタル
MF コレンティン・ティラール (→グルノーブル) 契約解除
FW ヨアン・アンズアナ (→ジローナ) 契約解除
FW ブライトン・ラボー (→アミアン) 契約満了
FW ヴァレール・ジェルマン (→マルセイユ) 移籍金800万ユーロ
FW コレンティン・ジャン (→トゥールーズ) 移籍金600万ユーロ
FW イルヴァン・カルドナ (→セルクル・ブルッヘ) レンタル
FW アラン・サン=マクシマン (→ニース) 移籍金1000万ユーロ
FW ラシナ・トラオレ (→アミアン) レンタル
FW キリアン・エムバペ (→PSG) 買い取りオプション付きレンタル
FW クエンティン・ヌガクトゥ (→未定 ) 契約満了
posted by もなこ at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | データ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月11日

チャンピオンズリーグを終えて…

ユベントスとの第2戦も1-2で落とし、チャンピオンズリーグの舞台でのチャレンジを一旦終えたモナコ。ベスト4まで勝ち進んだ事、そして勝利への野心は国内はもとより、国外からも賞賛を集めています。

ユベントスとの対戦では経験をまざまざと見せつけられた格好となりましたが、すでにモナコは今シーズンのリーグアンで来シーズンのチャンピオンズリーグのグループステージからの出場権を確保済です。来シーズンの同舞台ではさらに一回り大きくなった選手達が、シーズン得た経験を生かし、今シーズンあるいは2003-2004シーズンの“忘れ物”を奪いにいく野心を見せてくれる事を願って止みません。

2003-2004シーズンのチャンピオンズリーグ準優勝メンバーで、2009年1月にクラブを離れたルーカス・ベルナルディは退団時にこんな風にコメントしていました。

『あのシーズンは永遠に私の記憶に深く刻み込まれていくだろう。あらゆるクラブにとって歴史的な瞬間だ。あのチームはとても一体となっていた。あの冒険(CL準優勝)のスタートになったのは2003年のリーグ杯制覇だったと思う。スタッド・ドゥ・フランスでの決勝は若いチームに大きな自信を与えた。その後、難しい時に直面してもプレー出来なくなった始めの頃(退団する直前)も顔を上げていられた。そういった事が私を成長させてくれた』

あのシーズンのスタートがその前のシーズンのリーグ杯制覇だとするならば、今シーズンもしリーグアンのタイトルを勝ち取れれば、それを超える大きな自信を若い選手達が得られるのではないでしょうか。そしてその経験に来シーズンに得られるであろう経験を上積みすれば、その後のキャリアにおいても大きなプラスになるであろう事はベルナルディが実証してくれています。

来シーズン、ヴァシリエフ副会長が常々語っている野心を実現させる為には、次のオフでの動きが非常に重要となります。2003年の夏は財務危機によって補強を禁止させた事により、結果的に戦力の多くを保持する事だけに注力せざるを得なくなり、放出したのはデシャンの構想から外れかかっていたマルセロ・ガジャルドやラファエル・マルケスなどだけでした。次のオフで現有戦力をなるべく保持し、例え一部の戦力を失ったとしてもそれを補って余りある補強が敢行出来れば、来シーズンに夢の続きを見る事も可能かもしれません。

モナコのチャレンジは一旦幕を閉じました。でもそれは終焉だとは思っていません。心無い方々は現有戦力の行き先にばかり興味津々の様ですが、少なくとも自分は選手達が来シーズンも夢の続きを見せてくれる事を信じています。その為にはまずは残りのリーグアン3試合で1勝1分1敗以上の成績を残し、リーグ制覇を実現させなくてはなりません。
posted by もなこ at 11:41| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月26日

【コラム】PSG戦に初招集された8人。

3月5日に行われた第28節のナント戦と、3月11日に行われた第29節のボルドー戦の間が中6日空いたのを最後に、インターナショナルマッチデーを除けば、週に2試合ずつを戦い続けているモナコ。そのインターナショナルマッチデーすら多くの選手が招集されてしまい、負傷離脱者を除けば休めた選手はごく僅かしかおらず、ここに来てパフォーマンスの低下が見られるのは疲労が無縁ではないでしょう。

今週もミッドウィークにはフランス杯のPSG戦が水曜日に予定されており、来週と再来週のミッドウィークはユベントスとのチャンピオンズリーグ準決勝。第37節と第38節の間にもリーグ杯決勝で順延されている第31節のサンテティエンヌ戦が組まれており、リーグアンの全日程を終えるまでは週に2試合ずつ戦う状況は継続します。

リーグアン制覇とチャンピオンズリーグに焦点を当てるジャルディムは、フランス杯のPSG戦に向けての招集メンバー21人にリザーブチームでプレーする8名を含めました。規定により直近の2試合に出場した選手を最低でも7人は出場させなくては罰則を受けてしまう様ですが、その規定に沿う15人の選手の中から規定ギリギリの7人しか招集していない事から、とても大胆なターンオーバーと言っても過言ではありません。

しかしながら今回初招集されたリザーブチームでプレーする8人にとっては、PSGという国内随一のビッグクラブとの対戦で、自らの力をアピール出来るチャンスを得られる重要な機会かもしれません。今回のコラムはアピールを目論む8人の若武者を紹介したいと思います。

DF Safwan Mbae
生年月日:1997年4月20日
国籍:フランス・コモロ
契約:育成契約
出場の可能性:低い
昨シーズンのガンバルデッラ杯(U-19チームのカップ戦)優勝メンバー。今シーズンはリザーブチームとUEFAユースリーグでCBのレギュラーとしてプレーしています。

DF Kouadio Yves Dabila
生年月日:1997年1月1日
国籍:コートジボワール
契約:育成契約
出場の可能性:低い
リザーブチームの現監督がコートジボワール人である事から、現在のリザーブチームには4人のコートジボワール人が所属していますが、今回の招集メンバーに含まれたのは彼1人。リザーブチームではMbaeと共にCBのレギュラーとしてプレーしている選手です。

今回の試合でベンチ入りする控えCBは1人になる事が予想される為、その座をMbaeと争う事になりそうです。ベンチ入りしたとしても、CBに交代枠を使う可能性はディフェンス陣に怪我人が発生した場合以外に考えにくい為、Mbaeと共に出場機会が巡って来る可能性はそう高くはないでしょう。

MF トリスタン・ムユンバ
生年月日:1997年3月7日
国籍:フランス
契約:プロ契約(〜2019年)
出場の可能性:高い
U-17世代の時にはフランスの世代別代表経験も持つ期待の守備的MF。昨シーズンのガンバルデッラ杯優勝メンバーでもあります。メキシクがレンタル移籍した事により、今シーズンはリザーブチームの不動のレギュラー。またUEFAユースリーグでもレギュラーとしてプレーおり、チャンピオンズリーグにはグループステージからB登録済みです。いくつかの小クラブを経て、2012年夏からモナコの下部組織でプレーしている選手です。ファビーニョの出場時間を短くする為には彼の投入は必要不可欠です。出場の可能性は高いと言えるでしょう。ボンジョヴァンニと共に先発起用の可能性すらあります。

MF ディラン・ボーリュー
生年月日:1997年5月5日
国籍:フランス
契約:育成契約
出場の可能性:低い
昨シーズンのガンバルデッラ杯優勝メンバー。U-19チーム時代はウイングが主戦場の選手でしたが、今シーズンのリザーブチームでは守備的MFのレギュラーとしてプレーしています。UEFAユースリーグにも数試合出場しています。エンドラムがリザーブチームの試合で調整する際にはレギュラーの座を譲っており、序列としてはエンドラムやムユンバに劣ります。現状ではベンチ入り出来るかどうかといったところでしょう。チャンピオンズリーグには決勝トーナメントからB登録されています。これはアダマ・トラオレがレンタル移籍した事によって守備的MFの駒が減った事による措置と思われます。

MF アドリアン・ボンジョヴァンニ
生年月日:1999年9月20日
国籍:ベルギー
契約:プロ契約(〜1999年)
出場の可能性:高い
昨年のEURO U-17ではベルギー代表の一員としてプレー。敗退後にはとんぼ返りでガンバルデッラ杯決勝にも出場して優勝に貢献しました。今シーズンの主戦場はリザーブチームで、UEFAユースリーグやガンバルデッラ杯ではU-19チームでもレギュラーとしてプレーしています。スタンダール・リエージュの下部組織から一昨年の夏に加入。早くからこの試合の先発予想に名を連ねるなど、最大の注目株と言えるでしょう。チャンピオンズリーグにはA登録されておらず、まだ加入から2年経過していない為、B登録も出来ないので、出場する事は出来ません。

MF コランタン・ティラール
生年月日:1995年10月18日
国籍:フランス
契約:プロ契約(〜2018)
出場の可能性:微妙
左右のウイングの選手ではありますが、時には左ラテラルでプレーする事もあり、さらにカルドナのトップチーム昇格で空きが出た事により、1トップとしてもプレーしたユーティリティな選手。今回の招集もそこの部分に対する評価が少なからずあると思います。2014年に前下部組織ディレクターと現リザーブチーム監督と共にエヴィアンからモナコに加入し、U-20世代の時にはフランスの世代別代表にも選出されましたが、トップチームへの壁を乗り越えられずに年下に先を越されています。チャンスが巡って来るかは微妙なところではありますが、こういった苦労人も大切にしてもらいたいところです。リザーブチームではカルドナに次ぐ8ゴールを挙げています。

MF フランコ・アントヌッチ
生年月日:1999年6月20日
国籍:ベルギー・イタリア
契約:プロ契約(〜2019)
出場の可能性:あり得る
冬に移籍金250万ユーロでアヤックスから加入した選手。ボンジョヴァンニと共に昨年のEURO U-17に出場しています。18歳未満という事でモナコに加入してからしばらくはFIFAから試合への出場が許可されない事態となっていたものの、3月末になってようやく許可が下り、それからリザーブチームの4試合にトップ下とセカンドトップとして出場していますが、まだゴールは挙げていません。まだそんなにプレーを観た訳ではないので、この機会に観てみたい選手ではあります。加入してすぐにA登録されている為、チャンピオンズリーグに出場する事が可能です。

FW ヨアン・アンズアナ
生年月日:1996年12月13日
国籍:コンゴ共和国・フランス
契約:プロ契約(〜2019年)
出場の可能性:あり得る
トゥーレ、ディアロ、エンドラムらと同じ96年組で、2013年には彼らと共に1つ上の世代(レンタル中のシェリフ、ディアッラ、ヌガクトゥらの世代)のU-19リーグ制覇にも貢献しています。ウイングが定位置の選手ですが、最近はセカンドトップや1トップとしても起用されています。コンゴ共和国出身で2011年にモナコに加入。世代別代表としてもプレーしています。チャンピオンズリーグにはグループステージからB登録されています。

先発11人と交代で3人枠がある訳ですが、前述の通りそのうちの7人は直近の2試合でプレーした選手となります。それ以外にトップチームからディアロ、ジョルジ、エンドラム、カルドナの出場が見込まれる為、交代枠を全て使ったとして、リザーブチームから招集された8人のうち、最大で3人が出場機会を得る事となります。直近の2試合でプレーした選手のうち、ファビーニョとベルナルド・シウバは長時間使いたくないでしょうから、その代役となるムユンバとボンジョヴァンニを出場の可能性を高評価にしました。主力はほとんど出場しませんが、普段観れない選手を観れる良い機会でもあるので、ジャルディムがどんな決断を下すか注目しましょう。
posted by もなこ at 18:02| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月18日

【コラム】エムバペに続く逸材?

水曜日(日本時間では木曜早朝)にドルトムントとの第2戦を控えるモナコ。第1戦にアウェーチームが3-2で勝利したケースは過去100回あったそうですが、そのうちの97回は突破しているというモナコに有利なデータはありますが、気を抜けば不名誉な4回目の敗退チームに名を連ねてしまう可能性もあります。一昨年のアーセナル戦でもアウェーの勝利から、ホームではぎりぎりまで追い詰められた前例もあるので、しっかり気を引き締めて臨んでもらいたいと思います。そんなチャンピオンズリーグで評価がうなぎ登りなのがエムバペですが、そんなエムバペに続けとばかりに新たな才能が下部組織で育ちつつあります。

先週末、モナコの下部組織は2つのビッグゲームに挑みました。1つ目は15日に行われたCFA(4部)に所属するリザーブチームのColomiers戦です。フランスではリザーブチームは4部以上には上がる事が出来ない為、残留を決める事が事実上、最も大きなミッションとなります。モナコのリザーブチームは1月末から3月頭頃まで不調に陥り、一時は降格争いもちらつく順位まで落としていましたが、ここ2試合に連勝し、残留決定に大きく近付いた状態での試合でした。80分過ぎまで1点ビハインドの状態でしたが、82分に値千金の同点ゴールを決めた選手が57分から途中出場していたムサ・シーラ(Moussa Sylla)というエムバペよりも1つ下の99年生まれの選手です。

トップチームでコレンティン・ジャンがレンタル移籍し、さらにカリージョの怪我が長期化した事により、リザーブチームからカルドナがトップチームに昇格。それに伴い、リザーブチームで出場機会を掴み始めたのがU-19チームで得点を量産していたシーラでした。3月4日に行われたMont-de-Marsan戦から3試合に渡って先発出場のチャンスを得ましたが、ゴールという結果は残せず。連勝した直近の2試合ではチャンスを失っていましたが、重要な試合で重要なゴールを挙げました。試合は85分にやはり途中出場のトルマンのゴールで2-1で勝利。この結果、モナコのリザーブチームは4試合を残して降格圏との勝ち点差を13に拡げ、残留を確定させたばかりか、順位を5位に上げて上位を伺う位置につけました。

さらに先週末には、U-19チームでも重要な試合が行われました。U-19チームは開幕から好調で首位を快走していましたが、年末あたりから調子を落とし始め、前々節のトゥールーズのU-19チームとの試合に敗戦。前節のColomiersのU-19チームとの試合も引き分け、2位のモンペリエのU-19チームとの勝ち点差は僅か1に縮まっていました。16日に行われたマルセイユのU-19チームとの試合は絶対に落とす事が出来ない試合でしたが、この試合でもシーラは22分にゴールを決め、5-2での勝利に貢献しています。モンペリエのU-19チームが敗れた為、2試合を残して勝ち点差は4に拡がり、逆にプレーオフ進出に王手をかけています。次節のリヨンのU-19チームとの試合ですんなり決めたいところですが、最終節には最下位チームとのホームでの試合も残しているので、U-17チームに続くプレーオフ進出はほぼ手中に収めたと言っても良いのではないでしょうか。

シーラは今シーズン、U-19リーグで20得点、リザーブチームで1得点、UEFAユースリーグで2得点を挙げており、合計では23得点(ガンバルデッラ杯は無得点)を挙げています。エムバペ(178cm、67kg)よりも181cm、70kgと体躯的にもやや恵まれています。U-19チームでもリザーブチームでも1トップとしてもプレーしており、1トップとしてはまだ心許なさもあるエムバペよりも前掛かりで使える選手と言えます。フランスU-18代表としてもプレーしており、来シーズンは2019年に行われるU-20ワールドカップ出場を賭けたEURO U-19に挑む事になります。来シーズンからの2シーズンはそこを目指しても非常に重要なシーズンとなるでしょう。すでにモナコとは2010年までのプロ契約を結んでいますが、活躍次第ではフロントはその契約を延長する必要があるでしょう。

同世代には16日のマルセイユのU-19チームとの試合での2ゴールを含む、リーグ15得点を挙げているNabil Aliouiという選手もおり、こちらもシーラと共にフランスU-18代表の一員です。さらにシーラよりも一足早くリザーブチームでプレーしているベルギー人のBongiovanniや冬に加入したアントヌッチ、EURO U-17優勝メンバーの一員のポルトガル人左ラテラルのVinagreも同じ99年生まれです。誰が最初にトップチームでのチャンスを掴むのか、楽しみにその成長を見守りましょう。
posted by もなこ at 11:31| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月25日

【コラム】カルドナの運命は?

コレンティン・ジャンのレンタル移籍とカリージョの負傷離脱の長期化により、リザーブチームやU-19チームで得点を量産してきたイルヴァン・カルドナの姿を見る事が出来る機会が増えました。現在はフランスU-20代表の一員として、U-20四カ国トーナメントにも出場しているカルドナ。順風満帆なステップを踏んでいる様にも思えますが、逆にチャンスを得ている今だからこそ、早々に結果を出さなければ彼のキャリアに悪影響を与える可能性も孕んでいます。

まずは世代別代表での状況ですが、今から2年前のまだU-18チームだった時代にも世代別代表に選出されて3試合に出場しましたが、ここではゴールという結果を残す事が出来ませんでした。しかしながらU-20世代になって再び世代別代表に復帰すると、日本代表との親善試合のレギュラー組が出場した第1戦(3-0で日本が勝利)の3日後に、控え組を中心としたメンバーが出場して行われた第2戦(昨年9月3日)に出場し、試合終了間際に世代別代表初ゴールを決めています。
(夏を境に1つ世代が繰り上がるフランスの基準ではU-20ですが、元日を基準とする日本ではU-19となっています)

続く昨年11月14日に行われたオランダU-20代表との試合(こちらも控え組を中心としたメンバーが出場した第2戦)でも後半ロスタイムにチームを引き分けに導くゴールを挙げています。

両ゴールともに控え組を中心としたメンバーでの試合なので、今年5月から韓国で行われるU-20ワールドカップで代表入りを果たす為には、現在行われているU-20四カ国トーナメントで結果を出す事が必要不可欠です。23日に行われた第1節のセネガル戦では、3-0でリードしながらも退場者を出して1人少ないという難しい状況で62分から途中出場したものの、ゴールという結果を出す事は出来ませんでした。内容的にも1トップのポジションでボールを収める事を求められていましたが、その役割はあまり果たせていなかった様に思います。72分にはワンツーを起点にチャンスを作り、フリーでシュートを打てる場面もありましたが、コースを読まれていて、相手GKを脅かす事は出来ませんでした。短い試合間隔であと2戦行われる為、また出場するチャンスが巡ってくると思われますが、ここでアピールしなければなりません。

クラブレベルでは、U-19チームやリザーブチームで活躍出来る事はすでに分かりました。しかしながら求められるのはトップチームでの活躍です。昨シーズン、リザーブチームでの活躍が認められてトップチームでも出場機会を得たものの、結果を残せずに今シーズンはACアジャクシオへとレンタルされているイルレ・シャイビの様に、結果を残せなければ、来シーズンは他のクラブにレンタルに出される可能性が高いでしょう。

リボロフレフ会長が就任以降、モナコの下部組織出身選手でトップチームでレギュラーの座を得た選手のうち、モナコのトップチームでレギュラーを確保する前にレンタルに出されて、復帰後にレギュラーの座を掴んだ選手は誰も居ません。現在のトップチームで下部組織出身のエムバペ、トゥーレ、エンドラムはレンタルを経験していませんし、ジェルマンはレンタルを昨シーズン経験しましたが、その前のリーグドゥ時代はほとんどレギュラーでしたし、リーグアンに復帰した最初のシーズンも前半戦はファルカオとリヴィエールの後塵を拝していましたが、ファルカオの負傷離脱以降はレギュラーに復帰しているので、現在のカルドナの立ち位置とは大きく異なります。ディアロはレンタルを経験していますが、現在はレギュラーの座にはまだまだ程遠い状況です。リボロフレフ会長就任から昨シーズンまでの間には下部組織出身選手のうち、YFC(現アトレティコ)、クルザワ(現PSG)、ディンゴーム(現トロワ)、ナンパリ・メンディ(現レスター)といった選手がレギュラーの座を掴みましたが、彼らはレンタルを経験していません。

リボロフレフ会長就任以前に遡っても、デシャン監督時代まで思い返してみましたが、例外はルフィエル(現ASSE)とマンガニ(現アンジェ)くらいしか思い出せませんでした。むしろ近年ではティッセランやピ、古くはグラックスやジグリオッティの様にレンタル先で(むしろルフィエルやマンガニ以上に)活躍しながらも、モナコでは評価してもらえずにチームを去って行った選手達のイメージの方が強いです。

そうした前例を鑑みると現段階でレンタルに出されるのは、彼のモナコでのキャリアにおいてプラスに働くとは到底思えません。それを回避する為にはトップチームでの活躍、もしくはU-20ワールドカップでの活躍しか道はありません。ジェルマンやエムバペに続く為には、カリージョが復帰するまでのこの短期間が勝負と言えます。
posted by もなこ at 12:13| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月24日

【コラム】モナコの理事は?

何故、この時期にこんなコラムを書いてるのか、自分でも疑問ではあるのですが、実は以前に空いてる時間を使ってちょこちょこ書いて、そのまま放置してたコラムなんです。CLもリーグアンも国内のカップ戦も佳境に迫っている時期にもっと競技的なものを書け…と怒られるかもしれませんが、他にこんな事を書く人も居ないのではないかと思い、敢えてこの時期にアップしてみます。

フロントの人事に関しては変更があった時に逐一こちらやTwitterアカウントの方で情報をお伝えしてきましたが、理事(Administrateurs)に関しては触れて来ませんでした。モナコの株はリボロフレフ氏が率いるMonaco Sport Investが3分の2を、公国政府管轄下のAssociation Sportive de Monaco Football Clubが残りの3分の1を所有しています。理事はこの保有比率を基に選出されているものと思われます。

リボロフレフ氏が会長と呼ばれるのはこの理事会の会長という立場で、ヴァシリエフ副会長も同様です。この2人の他に7人の理事が居て、理事会は合計9人で構成されています。

1人はリボロフレフ氏の愛娘のエカテリーナ嬢、リボロフレフ氏と共にスタンドのVIP席から観戦しているところがカメラに抜かれているので、観た事のある方も多いのではないでしょうか。2012年2月にニューヨークのセントラルパークの西側に面したペントハウスを8800万ドルで購入し、当時は面積あたりで最も高額な売買物件として話題となり、NYのセレブに仲間入りしました。

次に紹介する人物も女性で、ウクライナ人のテティアナ・ベルシェダ(Tetiana Bersheda)氏です。スイスに自らの事務所(ベルシェダ弁護士事務所)を構える弁護士で、国際的な商取引において豊富な経験を持ち、国際的な仲裁や紛争の解決、会社法や倒産等を専門としているそうです。英語、フランス語、ロシア語、ウクライナ語に堪能で、ドイツ語やスペイン語の専門的な知識も持っている才女だそうです。リボロフレフ氏が巻き込まれた絵画の詐欺事件では、詐欺で逮捕されたディーラーの弁護士から逆に盗聴によるプライバシーの侵害で反訴され、リボロフレフ氏と共に逮捕されている事から、彼の顧問弁護士の立場にあると思われます。

ロシア人のミハイル・サゾーノフ(Mikhail Sazonov)氏はリボロフレフ氏の個人的な財政顧問という事しか分かりませんでした。この人物も前述の絵画詐欺事件の絡みで名前が出て来ます。この3人に会長と副会長を加えた5人は明らかに『リボロフレフ派』と言える人物です。

ベルギー人のウィリー・デ・ブルイン(Willy De Bruyn)氏はブリュッセルの出身で遥か昔にアンデルレヒトでプレーしていた事もある73歳の人物で、リボロフレフ氏のモナコ買収に関わっていた様です。彼はベルギーのメディアのインタビューに『私の心は半分がモナコでもう半分はアンデルレヒト』とも語っています。恐らく彼も『リボロフレフ派』なのではないかと思われます。モナコのバスケットボールチームの理事も務めており、チームの公式YouTube動画にも登場しています。

確実に『公国派』と断言出来るのはその他の3分のうちの2人です。1人はリボロフレフ氏の前の会長であるエティエンヌ・フランジ氏。モナコ人以外では初の会長として生え抜きを中心とした若手を重用したジェローム・ド・ボンタン氏が成績不振という理由で公国政府に会長の座を追われ、代わりに着任したものの、ボンタン氏にリストラされたマルク・ケラー氏(現ストラスブール会長)をゼネラル・ディレクターとして復帰させ、ギー・ラコンブ監督を招聘。腹心の副会長には自分の家族の代理店を介してスポンサー契約が出るなど、とにかくチームを崩壊させた張本人と言える人物と言えます。ラコンブ監督の解任が遅れ、さらに後任人事においてもラコンブと同様に守備的な戦術を得意とするバニード監督を復帰させた事。降格した責任をケラー氏だけに押し付けて疑惑の副会長共々留任した事。最終的には最下位争いに沈んでいながら監督経験がほぼ皆無なマルコ・シモーネを招聘した事など、とにかく批判が多い人物なので、あまり口出し出来ないポジションに収まって居てくれるとありがたいです…

フランス人のJoël Bouzou氏は元近代五種の選手で、1987年の近代五種世界選手権王者、オリンピックでも84年のロス五輪の時に銅メダルを獲得しています。アルバートU世によって設立されたPeace and Sportという団体(www.peace-sport.org)の会長も務めています。彼とフランジ前会長が明らかに『公国派』と言える人物です。

もう1人、フランス人のJean-Pierre Gastaud氏という人物が理事に名を連ねているのですが、彼については情報が不足しており明言を避けたいのですが、どうやら弁護士もしくは博士号を持つ法律専門家の様です。ここからは憶測になりますが、ベルシェダ氏がリボロフレフ氏側の弁護士ならば、彼は公国側の弁護士なのかもしれません。ウィリー・デ・ブルイン氏をリボロフレフ派とし、彼を公国派とすると6対3となり、ちょうど株式比率と比例する事になります。

ヴァシリエフ副会長の下、ゼネラルディレクター補佐のオルベック氏、スポーティングディレクターのコルドン氏率いるスポーツ部門の各スタッフ、カウンセラーのDhondt氏らが名を連ねる財務・営業等の部門のオフィサー、彼らフロントの人物やジャルディム監督を筆頭とするコーチングスタッフにばかりついつい目が行ってしまいがちですが、チームの舵取りの最終的な意思決定を委ねられる理事にあえて目を向けてみました。

リボロフレフ氏の会長就任以来、リーグアン昇格直前の税制優遇規制問題、2014年から2015年にかけてのFFPへの対応問題など、とにかく困難にばかり直面しながらも、欧州のカップ戦への出場権を再び確保したこの3年で2度目のチャンピオンズリーグベスト8に導いた事は賞賛に値すると思います。問題をクリアしつつある今、近日中に結論が出そうなセルクル・ブルッヘの株式取得を皮切りに攻めに転じる時です。リボロフレフ会長とヴァシリエフ副会長以下、理事やフロントの手腕に期待しましょう。
posted by もなこ at 13:23| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月03日

【コラム】冬の移籍市場雑感

状況確認と多忙につき、恒例のコラムが1ヶ月遅れになってしまい、申し訳ありません。

フランス勢が大きな動いた冬の移籍市場でしたが、モナコはリーグアンとCLでの好調な成績により、動きとしてはかなり静かなものとなりました。戦力的に言えば、補強も損失もほとんどありません。前半戦の戦力を引き続き保持出来た事が最大の補強と言えるかもしれません。

今シーズン終了後に残りの契約が1年となり、さらに現在(FFPの制裁後)のモナコのサラリー水準を上回っているファルカオとモウチーニョは放出の可能性がありましたが、最終的には2人とも残留しました。今シーズン終了後に契約満了を迎えるディアロとは契約延長に漕ぎ着け、レギュラー候補として獲得を希望していたリーグ下位クラブからの引き抜きを阻止しました。

この冬にあった動きは補強では未来に向けた投資、放出では出場機会が限られている選手の整理でした。前者では左ラテラルにジョルジを補強。左ラテラルはメンディが絶対的なレギュラーで、例え彼が離脱したとしても、右にトゥーレを入れてシディベを左に回したり、CBに穴が無い場合はラッジを起用する事で前半戦を乗り切って来ましたが、カリージョやジェメルソンの前例からも分かる通り、南米から直接モナコに加入した選手は本領発揮するまでに少なくとも半年以上を要している事から、カップ戦などを中心に出場機会を与えていきながら、メンディがモナコを去る日の為に徐々に準備を進めていこうとする意向が伺える補強と言えるのではないでしょうか。年齢的にもトゥーレ、ディアロ、エンドラム、ボスキージャと同じ96年生まれであり、彼らがチームの主軸となる時を見据えた先行投資の意味合いが強いと思います。

さらに、アヤックスの下部組織から17歳のベルギー人のフランコ・アントヌッチを獲得。こちらはより先行投資の意味合いが強く、同い年で同胞のBongiovanniと共にUEFAユースリーグなどのU-19チームでの活躍が期待されましたが、FIFAが移籍を許可しておらず、18歳を迎える来シーズンまでは公式戦への出場は叶わないかもしれません。

モナコからの公式発表はされず仕舞いでしたが、下部組織にはビジャレアルの下部組織から20歳のハビ・ガルシア、さらに19歳のカメルーン人のJessie Jensen Guera Djouという選手を加えています。前者はすでにリザーブチームでトップ下として出場機会を得ており、ここでの活躍次第ではトップチーム昇格もあり得そうです。ビジャレアルと言えばカンポスの後任として夏に着任したスポーティング・ディレクターのアントニオ・コルドンの前任地であり、彼の意向が伺える補強と言えます。

放出ではレンタル先で出場機会に恵まれていない選手の再配置がメインの動きでした。2月になって株の過半数取得オファーを出したベルギー2部のセルクル・ブルッヘにはレンヌとリオアヴェで出場機会に恵まれていなかったナルディとシェリフを転籍させ、さらに下部組織からベネディーヌもレンタルさせました。夏からレンタルされていたディアッラと併せて4名のレンタルとなり、株の過半数取得が完了すれば、来シーズン以降はさにセルクル・ブルッヘにレンタルとなる選手は多くなる事が予想されます。

守備的MFのバックアッパーだったアダマ・トラオレはリオアヴェへのレンタルとなりました。彼は長期離脱からコンディションが戻っておらず、試合勘を取り戻す意味合いが強いと思われます。レンタル先がリオアヴェとなった事には同クラブとの繋がりが深く、彼のモナコ加入にも関わっているであろうメンデスの影もちらつきます。前半戦のレンタル先のスタンダール・リエージュでは出場機会に恵まれなかったバールーリは完全移籍でリールに加わりました。これも彼の獲得を主導し、リールのスポーティング・ディレクターに就任したカンポスの意向が働いていると思われます。

posted by もなこ at 12:39| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月01日

【随時更新】Mercato d'hiver 2017 (2017/01/01〜2017/01/31)

《注意》この記事は移籍市場が閉鎖する1月31日まで最上部に表示されます。最新の記事は下をご覧下さい。なお、移籍情報はTwitterアカウント(@ASMonaco_jp)でも更新していく予定です。

【獲得】
GK ポール・ナルディ (←レンヌ) レンタル早期満了
DF ジョルジ (←フラメンゴ) 4年半契約、移籍金850万ユーロ
DF ウワ・エウデルソン・エシエジレ (←スタンダール・リエージュ) レンタル早期満了
DF Ruben Vinagre (←アカデミカ・コインブラ) レンタル早期満了
MF ファレス・バールーリ (←スタンダール・リエージュ) レンタル早期満了
MF フランコ・アントヌッチ (←アヤックス) 2年半契約、移籍金250万ユーロ
FW タフシル・シェリフ (←リオアヴェ) レンタル早期満了
FW ラシナ・トラオレ (←CSKAモスクワ) レンタル早期満了

【放出】
GK ポール・ナルディ (→セルクル・ブルッヘ) レンタル
DF メフディ・ベネディーヌ (→セルクル・ブルッヘ) レンタル
DF  ウワ・エウデルソン・エシエジレ (→スポルティング・ヒホン) レンタル
MF アダマ・トラオレ (→リオアヴェ) レンタル
MF ファレス・バールーリ (→リール)
FW Quentin Ngakoutou (→ユニオン・サン=ジロワーズ) レンタル
FW コレンティン・ジャン (→トゥールーズ) レンタル
FW タフシル・シェリフ (→セルクル・ブルッヘ) レンタル
FW ラシナ・トラオレ (→スポルティング・ヒホン) レンタル
posted by もなこ at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | データ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月07日

【コラム】ムサ・マーズ、落日のモナコの中心人物。

年明け初戦のフランス杯はファルカオの先制点以降なかなかチャンスを決められずにいたら、PK(判定に疑問はある)を献上し、同点に追い付かれるも直後にジェルマンが再びリードを奪い、その後もスコアは動かずに2-1の辛勝という結果でした。この試合では相手のACアジャクシオに懐かしい人物がプレーしていました。それが77分から途中出場したムサ・マーズです。リーグドゥではACアジャクシオの主力としてこれまでにチーム最多タイとなる4ゴールを挙げているマーズ。この人物はかつて2度に渡ってモナコにレンタルでプレーしていました。

彼がモナコに加入する背景を説明する為、彼が加入する1年半前の2008年夏から話を進めていきましょう。CL準優勝後の2004年から会長を務めていたミシェル・パストール氏(故人)が成績不振によって副会長共々退任。クラブは史上初となる外国人のジェローム・ド・ボンタン氏(フランス人)を会長に迎えます。ボンタン氏はジャン=リュック・エットーリ氏などのクラブのレジェンドを含めたフロントのリストラを断行。さらにアルセーヌ・ベンゲルの助言でルフィエルやヌクルなどクラブの生え抜き選手を中心とした若手重用政策を断行します。

この政策は中長期的な観点からは成功を期待させるものでしたが、1シーズン終えただけの2009年の夏、当時の実質的なオーナーの公国政府は前年の順位を1つ上回っただけのリーグ11位という結果を不満としてボンタン氏は会長の座を追われ、エティエンヌ・フランジ氏が後任となり、再び会長はモナコ人に戻ります。

フランジ氏はボンタン氏がリストラしたマルク・ケラー氏(現ストラスブール会長)をゼネラル・ディレクターに復職させます。ケラー氏は自身が招聘したリカルド・ゴメス監督を退任させ、ギー・ラコンブを後任に据えます。それまでの4-4-2で2トップのポジションを担っていた朴主永やファン・パブロ・ピノは1.5列目からウイングの選手で、生え抜きの若手のニマニでは役不足と判断したケラー氏とラコンブ監督は、ラコンブ監督の得意とする4-3-3のフォーメーションで1トップを担えるCFの獲得が急務となります。

そこで白羽の矢が立ったのはヴァランシエンヌとカーンでの活躍からフランス代表にも呼ばれていたスティーヴ・サヴィダンでした。遅咲きとは言えフランスの強豪クラブも獲得を狙う注目株でしたが、カーンでモナコのレジェンドでもあるフランク・デュマスの指揮を受けていた事もあって獲得話はトントン拍子で進み、ドクターチェックを残すのみとなっていました。しかしながらそのドクターチェックで心臓に異常が見つかり、獲得の話は破断。サヴィダン自身も引退に追い込まれます。

これで白紙に戻ったCFの補強ですが、この2009年の夏はバルセロナを契約満了で退団し、フリーとなっていたエイドゥル・グジョンセンの獲得で済ませます。これが全く機能せず、朴主永を1トップに据えざるを得なくなってしまいました。レンタルから復帰したネネが左ウイングで得点を量産した為、前半戦はリーグ戦でも上位を伺う位置に付けますが、グジョンセンの失望によって冬の移籍市場では再びCFの補強が迫られます。そこでターゲットとなったのがムサ・マーズです。

ベルギーのロケレンで台頭し、CSKAモスクワに移籍したものの活躍出来ずに干されていたマーズのレンタルは本人にとっても両クラブにとっても理想的な移籍でした。しかしながらすぐにモナコで活躍する事は出来ず、朴主永をCFに据えなくてはならない状況は変わらず、また前半戦ではゴールを量産したネネの勢いも止まり、チームは深刻な決定力不足に悩まされます。シーズン終盤になってようやくマーズはリーグ戦3試合得点を挙げるなど本領を発揮し始めますが、それを成果として買取オプションの行使を求めるマーズの期待とは他所に、モナコのフロントはオプションを行使しない決断を下します。

2010年の夏、リーグ戦ではていめいしていたものの、直前のフランス杯決勝でモナコに勝利し、欧州のカップ戦の出場権を得たPSGとは対照的に、リーグ戦でもフランス杯でも欧州のカップ戦の出場権を逃したモナコは厳しい状況に立たされ、そのPSGに主力のネネを奪われます。さらにピノやペレスといった主力も流出。しかしながらそれで得た資金を使って悲願のCFの補強に動ける状況となります。その対象はムサ・マーズではなく、スタンダール・リエージュでヨヴァノビッチとのコンビで活躍していたデュメルシ・エムボカニ(現ハル・シティ)でした。失意のマーズはモスクワにも居場所は無く、ボルドーに再びレンタルとなります。

大金を投じたエムボカニですが、シーズン前半戦の中盤には早々に失格の烙印を押され、1トップは再び朴主永が定位置に。実はその前半戦で右ウイングを務めていたのが、今となっては世界的なCFとなっているオーバメヤン(ミランからレンタルで加入)だったという皮肉な話もあります。降格争いに巻き込まれたモナコは冬の移籍市場でエムボカニを放出。これが買取オプション付きのレンタルだった事もあり、補強の元手の無いモナコはボルドーで活躍出来ずに燻っていたムサ・マーズに再び焦点を当てます。しかしながらマーズはモナコに加入して僅か1試合でそのシーズンを棒に振る大怪我を負い戦線離脱。モナコは再び補強に動かざるを得ない状況となりますが、辛うじて補強出来たのはホンジュラス人のジョージ・ウェルカム(現アルセナル)というジョークの様な名前の選手のみ。当然、レギュラーの座を脅かす事も無く、得点源が引き続き1トップとして起用され続けた朴主永のみという状況は変わらず、チームは降格の憂き目に遭います。

ムサ・マーズはその後もCSKAモスクワとの契約が切れるまでレンタル生活が続き、2012年にはリボロフレフ氏の会長就任で復調するモナコを尻目に、落日のルマンでプレー。CSKAとの契約から解放されたその後はチュニジアのエトワール・サヘル、ポルトガルのヴィトリア・ギマランイスではモナコからのレンタルで在籍したクリス・マロンガと再会、同じくポルトガルのマリティモ、中国の長春亜泰、デンマークのラナースFCを経て、今シーズンからACアジャクシオでプレーしています。現在、チームは降格争いに巻き込まれていますが、モナコからのレンタルで在籍しているシャイビと共に、今回はチームを降格から救ってもらいたいところです。
posted by もなこ at 13:19| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする